Disney実写映画の風景がAtmophにやってきた道のり

今回は、Atmoph CEOの姜(かん)が書いています。2020年9月30日に、長い道のりを経て、本当に念願のAtmoph Window 2 | Disneyというプロダクトを発表しました。ディズニー実写映画の世界のシーンを、窓の景色としてリビングからお楽しみいただけるという最高のプロダクトです。発売は12月予定で、まずは映画『アラジン』のアグラバーの夕陽のシーンのみ発表しています。今日は、この素晴らしい取り組みに至ったお話をしたいと思います。

構想から4年もかかったのはなぜ?

Atmophではこれまで、世界3,000カ所以上を4K/6Kクオリティの動画撮影をし、1,000本以上の風景映像を一本ずつ丁寧に編集し公開してきました。このようにすべての風景はAtmophが独自に撮影するのですが、僕自身、そしてチームメンバーも大好きな「宇宙」は撮影できないので、JAXAから協力いただきISSから見た地球の眺めも実現できました。ただ、もう一つ私たちが撮影できないものがありました。それが、ファンタジーの世界なんです。

「ディズニー映画に出てくる、夢のようなファンタジーの世界をこの窓から見れたらどんなにいいだろう。」

そうして4年前からウォルト ・ディズニー・ジャパンと試行錯誤が始まりましたが、一つ最大の難題がありました。Atmophの風景映像は、「窓からの景色」ということで定点である必要があり、また短すぎるとループが気になるため、約15分ほどの定点撮影をしています。しかし、映画のシーンというのは1-2秒でシーンが切り替わっていきます。また、通常撮影ではカメラはズームやパン(水平に回転)を絶えず繰り返すため、「そもそも定点の長いシーンは存在しない」のです。この問題をクリアしないことにはこの取り組みは実現できず、その実験に一番多くの時間がかかりました。

1枚の静止画を動画にするというマジック

例えば、下のような静止画写真があるとします。カリフォルニアのヨセミテ国立公園のAtmoph風景ですが、壮大な岩山に滝が流れ、草原は風に揺られ本当に気持ちよさそうですね。(ここで少しだけ体験できます。)さて、この静止画1枚を元に、10分くらいの動画を作るにはどうしたらいいか、どうしたら自然に感じられるかの検証と実験から開始しました。

技術の前に、いつだってまず想像力が試されます。風はどのくらいの強さで吹いているか、これから太陽はどう変化するのか、雲は出るのか、影は動くのか、水はどうやって流れ落ちるか、鳥は飛ぶのか、どんな鳥がここにいるのか、木々は揺れるのか、揺れないほどの風なのか、揺れた方が気持ちいいのか、やりすぎなのか。そもそも草ってどう動くんだろう、木ってどう揺れるんだろう、風ってなんなんだろう、自然に見える目の解像感ってどのくらいなんだろう。

それらを元に、どこを動かすべきかを考えていきます。もし木が動くなら、その木を切り抜いてCGで合成するなど色々な手法を用いますが、そもそもその木の後ろの情報は静止画1枚には存在しません。その木の後ろはどうなっていたら自然か、そういうことを繰り返して、自然さと気持ちよさと、数ヶ月もかかるCG制作時間とのトレードオフのバランスを模索していきます。

映画の世界にだって日常がある

第一弾として、『アラジン』、『マレフィセント』、そして『ライオン・キング』の実写映画からのシーン風景を順次公開することを発表しています。リアルな風景にこだわるAtmoph Windowは、それぞれオリジナルのアニメ映画ではなく、実写映画のシーンから選んでいます。かつ、4K以上で風景を撮影しているため、数ある実写映画の中でも4K対応された作品以降が選定基準となりました。

映画というのは、90分くらいの中にジェットコースターのような目まぐるしい展開とドラマが繰り返されることで、私たちをその世界に引き込み没入させてくれます。そのため、ひとつのシーン、1日をずっと眺める「窓の景色」とは違います。でも、映画の世界にも、本当は切り取られてしまったけど1日1日が流れていて、恋愛もバトルもトラブルも目に見えない日だってあるはずです。味方にも敵にも。

あなたも、日々の主人公

僕は映画が大好きで、小さな頃からディズニーの映画やアニメで育ちました。夢を見させてくれるその創業者を心からリスペクトしているので、こうして新たなチャレンジをついに現実にできたことが心から嬉しいです。発表用の動画撮影を一人でしているとき、このことを思うと感動して涙が溢れてしまいました。

映画の中では主人公が冒険していますが、この窓を開けばあなたがこの世界の主人公です。明日はどんな冒険が待っているか、ワクワクしますね!