観葉植物のある部屋は、なぜ心地いいのか

リビングにひとつ、観葉植物を置いてみた。なんだか気分がいいし、それだけで部屋の空気が少し変わった気がする。

観葉植物があると、なんとなく落ち着く。なんとなくオシャレな感じがするし、もっと部屋が好きになる。この「なんとなく」の正体ってなんだろう?

この記事では、観葉植物が部屋を心地よくする理由を紐解いてみます。知れば知るほど、自宅の植物がもっと愛おしくなるはず。

人間は、自然を求めるようにできている

1984年、アメリカの生物学者エドワード・O・ウィルソンが「バイオフィリア*」という概念を提唱しました。バイオは「生命」、フィリアは「愛好」。つまり、人間には自然とつながりたいという本能的な欲求がある、という考え方です。

※参考:「バイオフィリア」エドワード・O・ウィルソン

何百万年もの間、人間は森や草原で暮らしてきました。舗装されたコンクリートの上で過ごすようになったのは、人類の歴史からすれば極々最近の話。体はまだ、自然の中で生活していたときの記憶を持っています。だから観葉植物がひとつ部屋にあるだけで、どこかほっとする。あの「なんとなく心地いい」は、何百万年と人間が積み重ねてきた安心感なのかもしれません。

バイオフィリアの考え方は、近年「バイオフィリックデザイン」として建築やオフィス設計にも取り入れられています。Amazonの本社には巨大な温室型ワークスペースがありますし、日本でもオフィスの緑化が進んでいます。それはただ単に「おしゃれだから」だけではなく、植物があると人の生産性と幸福度が上がるという研究結果に基づいた、合理的な判断です。

植物が部屋にもたらす、3つのこと

目に入るだけで、体がゆるむ

東京農業大学の研究によると、室内に観葉植物があるだけで、緊張をつかさどる交感神経の活動が抑制され、リラックスをつかさどる副交感神経が優位になることが確認されています。つまり、植物を見るだけで体が「力を抜いていいんだ」と判断するということです。

また、緑化によるストレス軽減効果に関する研究(J-STAGE)でも、植物が視界に入ることで心理的なストレス指標が改善するという結果が報告されています。在宅勤務で一日中パソコンに向かっている人なら、デスクの横に一鉢あるかないかで、夕方の疲労感がかなり違ってくるかもしれません。

空気を、ほんの少し整える

NASAが1989年に発表した「クリーンエア・スタディ」では、特定の観葉植物がホルムアルデヒドやベンゼンなどの有害物質を吸収する能力を持つことが示されました。また、植物は蒸散作用で部屋の湿度を自然に調整してくれます。

ただし、正直に言えば、家庭に数鉢置いただけで空気清浄機の代わりになるわけではありません。効果はあくまで「ほんの少し」。それでも、乾燥しやすいエアコンの部屋に植物があると湿度が安定する実感はあります。空気清浄というよりは「空気に生き物の気配が混じる」という感覚に近いかもしれませんね。

部屋に「時間の流れ」が生まれる

植物は育ちます。よく観察していると昨日と今日で、ほんの少し違う。昨日はなかった小さな新芽が出ていたり、葉が開いていたり、昨日は元気だったのにしんなりしていることも。この「変化」が、無機質な部屋に有機的な流れを与えてくれます。

家具は買った瞬間が完成形ですが、植物は一緒に暮らすほど育っていく。水をやり、日に当て、時期が来れば植え替える。その手間が、不思議と面倒ではなく愛着になっていく。部屋にいる時間そのものが、少し豊かになる感覚です。

一鉢目をどこに置くか

初めて観葉植物を買うとき、どこに置くかで迷うかもしれません。正解はないのですが、いくつかのヒントはあります。

もっとも効果を感じやすいのは、長く過ごす場所の視界に入る位置。デスクワークをしている人なら、モニターの横。リビングでくつろぐことが多いなら、ソファから見える場所。ベッドサイドやトイレの角に小さな鉢を置くのもいいですね。ポイントは「わざわざ見に行く場所」ではなく、「ふと目に入る場所」に置くこと。

日当たりが心配な人は、ポトス、サンスベリア、ザミオクルカスなど耐陰性のある品種を選べば、窓から離れた場所でも育てられます。植物用のLEDグローライトを使えば、日が入らない部屋でも問題ありません。

まずは今あるスペースに置いてみて、2鉢目は壁に飾ってみたり、棚から垂らしたり。植物の飾り方に迷ったら、壁の飾り方アイデア集も参考にしてみてください。

「自然を部屋に取り入れる」は、植物だけじゃない

バイオフィリアの本質は「自然とのつながり」です。植物はその最も身近な方法ですが、人が自然を感じられるのは視覚だけではありません。

雨の音を聞くと集中できる。波の音を聞くと眠れる。これも同じバイオフィリアです。雨の音が落ち着く理由を解説した記事でも触れましたが、自然音には脳をリラックスさせる1/fゆらぎが含まれていて、植物の視覚効果と同じメカニズムで体を落ち着かせてくれます。

Atmoph Window は、壁に掛けるだけで世界50カ国以上、2,000カ所以上の風景を高品質な映像と自然音で届けるデジタル窓です。森の木漏れ日、海岸の波、京都の庭園。植物が「緑の視覚情報」で脳を落ち着かせるなら、Atmoph Windowは「風景の映像と音」で同じことをもう少し広い範囲で行います。

テレビ台の横にパキラ、壁にAtmoph Windowの森の風景。リアルな植物の緑とデジタル窓から見える風景があると、まるで部屋の中にいながら自然の中にいるような感覚が生まれます。植物とデジタル窓は、どちらかではなく「組み合わせ」で効果が深まるものです。

一鉢から始まる、部屋との関係

観葉植物が部屋を心地よくする理由は、人間が持つ自然への本能にありました。目に入るだけでストレスホルモンが減り、副交感神経が優位になり、空気をほんの少し整えてくれる。そして日々の変化が、部屋に時間の流れを生む。

最初の一鉢は、育てやすいポトスでもサンスベリアでも十分です。部屋に「自然の生きもの」がひとつ加わるだけで、帰ってきたときの空気がふっと変わる。その感覚を知ると、たぶんもう植物のない部屋には戻れなくなります。

Atmoph Windowの風景ラインナップは、公式サイトでご覧いただけます。