アトモフのソフトウェアエンジニアの中野です。
Atmoph Window 2の新しいシステム更新 version 3.5の「ベータテスト」が先々週から開始されています。今回の修正でも多くの機能追加や修正が盛り込まれており、近く一般公開される予定です。更新内容が気になる方は、記事の最後に内容について少し書かせていただいているので、チェックしてみてください!
ベータテスト
アトモフでは社内での開発とテストが完了した後、社員の自宅のデバイスや、Atmoph Window 2の一部のユーザー(ベータテスター)のデバイスに、その新しいシステムを先行配信しています。このようなことをするのにはいくつかの理由があります。
システム更新のリスク
まず第一に、普通のソフトウェアの更新と違い、ハードウェア製品のシステム更新はかなりリスクが高いという点があります。例えばシステム更新の影響で起動しない不具合などが出てしまうと、製品回収や修理など非常に影響の大きな問題になってしまいます。
こういった致命的なトラブルを避けるために、まずは小さなグループに配信を行なって、大きな問題がないことや、システム更新が可能な状態であることを確認しています。
多様な環境でのテスト
もう一つのとても重要なポイントが、「実際の環境でテストする」という点です。
アトモフは非常に変わった立ち位置の製品で、部屋の中で常に動いているけど、タブレットやスマートフォンの様に頻繁に操作する必要はなく、一度設定をしておけば自動的に風景が切り替わっていきます。
このような製品サービスだと、開発者がシステムを作っている際の状況(頻繁に操作する)と、実際にお客様が使う環境(ふとしたときにAtmoph Windowを見る)が違うことが多く、「良いと思って作った機能だけど、実際に使ってみるとそうでもなかった」みたいな事が起こりがちです。このようなズレを修正する期間としても、ベータテストは非常に重要です。


(実際のベータテスターの方の利用環境1)
ベータテスターの方の実際の生活環境で使ってもらい、フィードバックを受ける中で、多くの機能が修正されます。ネットワーク速度・利用台数・デイリールーティーン機能の設定など、自然と色々な状況でテストされることになるので、不具合もかなり見つかります。長い場合は2ヶ月以上テストしたバージョンもありました。


(実際のベータテスターの方の利用環境2)
ご協力いただいているベータテスターの皆様には本当に感謝です。
本当は希望する全ての方にベータテストに参加していただきたいのですが、上記のようにハードウェア製品特有のリスクもあるため現在は人数を絞って実施させていただいています(申し訳ありません!)。新しいベータテスターの募集は、不定期で本体MENU内の「What’s New」で募集しているので、こまめにチェックしてくださいませ!
v3.5 で予定されている機能
それでは、折角なので現在テストしているversion 3.5の機能を一足お先にダイジェストでお伝えしようと思います。(テストの過程で内容は変更されることがあります)
Auto のカスタマイズ
最も大きな修正点は、Autoがカスタマイズ出来るようになる点です。

風景が更新される時間の間隔を変更したり、以下のような項目でAutoで出てくる風景の種類を調整することが出来ます。
• 季節に合わない風景を出さない(夏に雪の風景などが出ない)
• 特定の風景を出さないようにする(風景を指定して、Autoから除外する)
• パノラマの風景も含める(シングル利用時)
• 自分がアップロードした風景も含める
切り替える前に事前にバックグラウンドで風景をダウンロードして、ストリーミング再生になりづらくなるようなオプションも追加されます。
パノラマデコレーションのサポート
今まではパノラマでお使いの方はデコレーションが使えませんでしたが、version 3.5からは設定出来るようになります。(お待たせいたしました!)

パノラマ機能関連ではそれ以外にも、それぞれの窓の再生位置同期に関しても改善しています。
デバイスロック
店舗や準公共スペース(クリニックなど)で使われる場合などは、その場所にいる方に自由に操作して欲しくない、という場合も多いはずです。そう いった場合に、デバイスをPINコードでロックし、操作できないようにする機能が追加されます。

ロック中もデイリールーティーンなどは今まで通り動作します。ロック中完全に何も出来ないようにすることも可能ですし、風景の切り替えだけは出来るようにするような設定も可能です。
それ以外にも盛りだくさんの機能
それ以外にも、Soundscapeのテーマ追加(Woods/Fall。とても素晴らしいものになっているのでお楽しみに!)、Limitless領収書の発行機能、多くの不具合修正(これは誇れた事ではありませんが、、)等々、ここには書ききれないほどの内容が盛りだくさんとなっています。
「地味だけどいいバージョン」になったのではと思っており、ベータテスターを含む開発チーム一同、全体リリースに向けて準備を進めていますので、一般公開までもう少々お待ちくださいませ!